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考えていること
変化し続けるシステムを実現するために
実現するために

変化し続けるための概念モデリング

 ビジネスの環境などの変化をきっかけに、企業は変化する必要に常に迫られます。企業が変化し続けるためには、情報システムも変化を前提とした構造にしておく必要があります。従来のように業務を変更するたびにソフトウェアを改修し、情報システムを再構築していては変化に追いつけません。情報システムの再構築が遅れることで、ビジネスチャンスを失うかも知れません。情報システムがビジネスの足かせとなるのではなく、ビジネスをリードしていくものとなるために、情報システムを変更容易な構造にしておくことが重要です。

 企業ごとに変化の仕方は異なるため、「概念モデリング」によってビジネスの構造を整理し、変化しやすい部分と変化しにくい部分を明らかにする必要があります。
 たとえば製造業であれば注文を受けて製品を製造し、出荷して請求するという部分は変化しにくく、在庫の持ち方、製品の仕様、オプションの組み合わせなどにはさまざまなバリエーションが存在し、変化しやすい部分ととらえられます。このようなバリエーションに伴って、製品の作り方、材料の選び方、作業順や加工の仕方も変化していきます。

 私たちのモデリング手法によって、複雑な商品、製品、部品、作業、資源をシンプルに扱えるように、ビジネスの変化に俊敏に対応できるように情報システムを設計します。

変化し続けるためのアーキテクティング

 基幹系システムが変化し続けるために行うことは、適切なサブシステムへの分割です。

適切なサブシステムとは、サブシステム同士が依存していないこと(疎結合性)とそれぞれがもつ機能に過不足がない(高凝集性)ことです。適切なサブシステム分割を行うために、私たちは次の2つの基準を用います。




 1つ目の基準は、管理階層によるものです。たとえば製造業であれば、お客様からの「注文」を扱う階層(商流)、注文された製品を製造するために必要となる「資源の使用」を扱う階層(資源管理)、資源を使用して「モノの加工経過」を扱う階層(製造実施)です。これらは、管理の細かさがより小さくなっていく順になっています。

 各管理階層には主要な「関心対象」があり、関心対象のライフサイクル(始まりから終わりまで)にかかわる事実が記録されます。具体的には、商流階層は「注文」を関心対象とし、その受付から完了までの事実(予定と実績)を記録します。資源管理の階層は「資源」を関心対象とし、時々変化する資源の使用可能性(在庫や設備の空き)を計算するための消費/生成と使用/解放の事実を記録します。製造実施の階層は一つひとつの「モノ」を関心対象とし、その変化の事実を記録します。

 2つ目の基準は、業務の学習サイクルによるものです。学習サイクルとして、PDCAと呼ばれるモデルを採用します。計画を立て(P)、実行し(D)、その結果を評価して(C)、対応する(A)というサイクルです。PDCAサイクルの理解のために重要な観点があります。それは、PDCAは「知識」を中心にまわるということです。知識とはマスタデータや計画展開時に必要なさまざまな制約を総称したものです。実行結果を評価して修正すべき点がある場合、(結果に対応するだけではなく)同じ結果にならないために、もとの「知識」を是正する必要があります。

 この基準に基づき、各管理階層は、「知識相」、「計画・実行相」、「報告相」という業務相でさらに分割します。「知識相」は知識を格納し、提供する機能を持ちます。「計画・実行相」は、計画に基づいて作業指示を行い、その結果を記録する機能を持ちます。「報告相」は計画・実行の状況をモニタして管理者に報告する機能を持ちます。管理者は、計画と実行結果を評価して、必要ならば知識を是正します。基幹システムが変化するとは、この知識が変化することです。

 こうして分割した9つのサブシステムが非同期でありながら、動的に連携することができるように、サブシステム間の通信メッセージを規定します。

構想、設計、施工、そして次なる構想へとつなぐアーキテクチャガバナンス

 アーキテクチャガバナンスとは、情報システムサイクルの「構想」、「設計」、「施工」の成果物を整合させる活動です。アーキテクトのリードにより、概念モデルや論理アーキテクチャなどの「情報システムアーキテクチャ」は「構想」を満たしているか、満たせないことはどうやって解決するか、「実装設計」は「情報システムアーキテクチャ」を満たしているか、満たせないことはどうやって解決するかを、ステークホルダーの合意に基づき決定し、プロジェクトを前に進めます。
 このようなアーキテクチャガバナンスを維持してこそ、施主の目的に整合した全体最適のシステムを実現し、利用し続けられるのです。

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